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「全国部落調査」復刻版裁判 第8回準備手続き ~メルカリで3冊販売~

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「全国部落調査」復刻版裁判の第8回弁論手続が9月11日、東京地裁で開かれ、原告の弁護団から準備書面が提出された。今回の準備書面では、示現舎がばらまいた同和地区情報により広範な二次被害が生じている現実などが提起された。

【メルカリで出品】
2019年1月~3月にかけて、インターネット上のフリーマーケットである「メルカリ」において、本件出版物である『復刻版 全国部落調査』そのものを印刷した出版物が3冊販売されるという事件が発生した。

出品者は佐賀県内の高校3年生(当時)であった。唐津市の職員が当該出品を発見し、佐賀県が「メルカリ」に対して取引中止を要請し、本社が出品を取り下げた。しかし、その間、すでに3冊落札されていた。

【本人が反省し県へ】
出品者は今2019年3月22日、ネットニュースで自分の販売行為が記事で掲載され、大問題になっていることに驚き、佐賀県に連絡した。3月29日に県職員と面談し、追加製本した2冊を同課に引き渡し、陳謝した。

出品者は高校生1年生の時、現代社会の授業で部落問題について触れたことをきっかけに、示現舎のサイトを閲覧した。全国の被差別部落の所在地などが掲載されており、自分も保持しておきたいと2017年2月から3月にかけて『復刻版 全国部落調査』データを印刷して3冊製本した。友人に見せたが、あまり反応がなく、その後放置していた。部屋の整理をきっかけに2019年1月に最初の1冊を出品したところ、5555円という高額で売れたことに驚き、続いて残りの2冊も出品し、3500円、5000円で落札された。追加で2冊も製本し、出品しようとしたころで、販売中止になった。

聞き取りの中で、出品者は「部落地名総鑑」が就職差別や結婚差別に悪用されてきたものであるとは知らず、「復刻版」が出版禁止になっていることは知っていたが、原告の解放同盟が出している情報については知らなかったとのことだった。

【様々な二次被害が】
2017年3月、滋賀県内の事業所の喫茶コーナーのカウンターに、A3サイズの文書が置いてあるのを同所の作業員によって発見された。
書面には「B地区出身の著名人」(部落)「Kの有名人」(在日韓国・朝鮮人)と題して多数の有名人の実名が掲載されたリストや「滋賀県内の同和地区データ」と題し、表には滋賀県内の被差別部落の地名等が掲載。

このデータは、鳥取ループ・示現舎がネット上にばらまいた『復刻版』のデータが悪用されたものであった。

その他、茨城県古河市職員によるストーカー事件でも、示現舎の「同和地区WIKI」の情報が悪用されいた。

また、埼玉県春日市の農林振興センターにも「同和地区WIKI」のコピーを持参し、地図上に同和地区を丸線で囲み、農地転用の許可を出すなとクレームを言いに来た者がいた。示現舎によりばらまかれた情報が様々な形で二次被害を生んでいる。