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鳥取ループ・示現舎が「部落地名総鑑」をネット公開

◆公然と差別扇動
 鳥取ループ・示現舎による「部落地名総鑑」の発刊計画とネット上での同和地区の公開は、インターネット時代における部落差別の現実、差別扇動の影響力、法制度の不備が問われてている事件。

自身の名前を名乗り、公然と差別扇動を繰り返す。中央本部の提訴により、『全国部落調査』復刻版の出版禁止の仮処分はおこなわれた。しかし、彼は堂々とインターネット上で「部落地名総鑑」を無料公開し、世界中へ拡散を呼びかけ、拡散し続けた。その後、横浜地裁からサイトの仮処分決定がおこなわわれたが、すでに多くのコピーサイト、ミラーサイトがネット上で公開されたままだ。
今後、本訴訟の間にも、多くの人に閲覧・入手され続ける事態が進行していく。

かつての部落地名総鑑事件で回収されたのは、二百数十冊である。しかし今回、鳥取ループによって「部落地名総鑑」がネット公開され、手軽に誰でも閲覧、入手できる状態であるため、その被害と影響は計り知れないものになっている。

◆ネット上に公開 
鳥取ループ・示現舎は「同和地区WIKI」や「全国部落解放協議会」のサイトを立ち上げ、全国の被差別部落の所在地などをインターネット上に公開している。「同和地区WIKI」(2014年5月開設、2016年4月仮処分決定後は、コピーサイトが公開されている)は、インターネット版「部落地名総鑑」である。このサイトには、全国の5300カ所の被差別部落の地域名や所在地、個人の名字、戸数、人口、職業等が掲載されている。

部落の所在地(住所・地域名等)以外にも、隣保館一覧、改良住宅一覧(住宅名、住所)等「同和地区と関連する人名一覧」で全国の市町村別の同和地区に多い人名(名字)も掲載されている。

さらに、「部落解放同盟関係人物一覧」として、全国の部落解放同盟等の役員1000人以上の個人情報も公開(住所、氏名、電話番号、年齢等)していた。そして、より情報の精度を上げるために、サイトの閲覧者が加筆修正できる仕組みになっており、日々、情報が更新され続けている。

◆特定方法まで掲載
彼らのサイトには、「同和地区特定ガイド」として、同和地区特定に役立つキーワードや、開示請求の具体的な方法等を解説してる。

◆法的不備を突く
「鳥取ループ」の開設当初(2005年)はサイト上の運営が中心だった。しかし、彼らが注目を集め、電子書籍等の出版物も売れてくるようになると、鳥取ループ「示現舎」(2011年)という出版社を立ち上げる。出版業務や研究であれば、「出版・表現の自由」「調査研究の目的」という名目で、同和地区の所在地情報の掲載等であっても、個人情報保護法の適用除外となるとして、活動している確信犯だ。

◆開示請求と訴訟
彼らは、市役所などに同和地区に関する情報の開示請求をおこない、非開示であれば、不服として裁判を起こすという行為を繰り返してきた。その裁判経過や自説等を、自分のサイトに掲載し、書籍化・販売することで、利益を上げ続けてきた。より過激なことをするほど話題性があり、サイトへのアクセス数が増え、広告収入が増えるという仕組みになっている。

◆地図上にも公開
鳥取ループは、2005年から自身のブログやサイトにおいて、鳥取県や滋賀県、大阪府内の同和地区の所在地等、全国の同和地区マップ(グーグルマップ)を掲載してきた。さらに、解放同盟滋賀県連の流失した解放同盟員の名簿をもとに、同盟員個人の自宅をグーグルマップの地図上にマーキングして、ネット上に公開し続けている。また、「真宗大谷派部落寺院」などの情報をインターネット上に掲載してきた。

◆検索トップワード
現在、インターネット上で「同和問題」や「部落差別」で検索すればトップページに「全国の同和地区」など、彼らのサイトが表示される。また、ネット辞書である「ウィキペディア」(閲覧者で作成・更新可能)の部落問題について項目も、偏った情報が掲載されている状況となっている。部落問題について正しく学んでいない人や子どもたちが、ネットで「同和問題」などと検索したら、彼らの同和地区一覧や部落地名総鑑のサイトが真っ先にヒットする状況となっている。

◆行政の指導を無視
これまで、何度も行政などから同和地区の所在地情報一覧や同和地区マップの削除要請、法務局からの「説示」がおこなわれてきた。しかし、それらはあくまで「任意」であり、法的拘束力はなく、現行法では、彼らの行為を止めることができない。今後、部落差別を禁止する法制度を求めるとともに、徹底的糾弾を展開していく。