増えている同和地区の「問い合わせ」事件
増えている同和地区の「問い合わせ」事件
①都府県や市区町村役場、隣保館などへの同和地区の問い合わせは、近年増加しています。
過去20年間で206件(『あいつぐ差別事件』『解放新聞』等で確認)の差別問い合わせが確認されています。
1995年~2005年は計46件ですが、
2005年~2015年では計159件となっています。
つまり、この10年間で差別問合せ事件は3倍以上に増えているということです。
問い合わせ先の多くは、都府県や市区町村役場・教育委員会などの行政です。
その他に隣保館、人権啓発センター、解放同盟都府県連、小学校などもあります。
世代としては20代~80代までの各年齢層であり、不動産会社・マンション開発業者・住宅会社などの社員も目立ちます。
②行政等への同和地区問い合わせの8割が電話です。
多くが匿名または自称(〇〇市在住、偽名)で名前を語っています。
なかには、直接、行政等の窓口まで来て、堂々と「同和地区はどこか」と問い合わせするケースも2割ほどあります。
③過去20年間の問い合わせの内容(目的)の上位は下記の順になります。
1,「同和地区の所在地情報」75件(37%)
2,「住宅・土地購入」56件(27%)
3,「結婚(交際)相手の身元調査」37件(18%)
4,「引越・転居」31件(15%)
5,「その他」(自分のルーツ等)6件(3%)です。
④問い合わせで一番多いのは、「〇〇市の同和地区はどこか」「〇〇は同和地区かどうか教えて欲しい」など
『同和地の所在地』に関する問い合わせです。
これらは結婚や就職における身元調査、
不動産取引・転居における土地差別調査など、どのようなケースでも利用される内容です。
⑤二番目に多いのが、『家や土地を購入』『引越・転居』の際に、
その土地・物件が「同和地区かどうか」という問い合わせです。
不動産取引において同和地区を忌避する市民の差別意識が具現化されたものです。
また、その市民の差別的ニーズに同調し、営業活動をおこなう不動産業者からの問い合わせも多いです。
⑥次に、結婚相手の身元調査に関する問い合わせです。
多くは親が子どもの結婚(交際)相手が、同和地区出身かどうかを確かめるために、身元調査をおこなっています。
結婚相手の身元調査では、親子(母と娘)が役場を訪ね
「結婚する相手が同和地区に在住しているのか知りたくて調査 したい。結婚相手の戸籍を請求できるか」(大阪2006年)という事件も起きています。