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県が周南店へ立入調査  店長「注意喚起のつもりで書いた」  -K社土地差別調査事件-

11月12日におこなわれたK社(旧Y社)和歌山店の土地差別事件の第2回確認会において、全国13府県で26件もの差別調査書が明らかになった。(県連版86号に掲載)

山口県内でも、周南店において「D地区のド真ん中 地域性注意」と書かれた差別調査書の存在が明らかになった。

周南店での土地差別調査書の発覚を受けて、解放同盟山口県連は12月17日、県庁にて、山口県と協議をおこなった。

山口県連からは、藤本委員長、川口書記長らが出席。県からは土木建築部副部長、住宅課課長、人権対策室長、人権教育課副課長など関係課が出席した。

◆山口県の動き
山口県からは、この間の経過と対応についての報告がおこなわれた。

11月19日、国交省が関係14府県の関係課を招集し、今回の事件と今後の対応についての説明をおこなった。

K社の報告書から、周南店の店長が「なぜ同和地区と判断したのか」について、「過去、岩国で販売会をおこなった時に、来場者から(その地域が同和地区と)聞いていたことが記憶にあり、記載した」「仕入れ価格が高値にならないように注意喚起のつもりで記載した」と答えていたことが分かった。

国交省からの報告を受け、山口県住宅課と人権対策室は11月28日、周南店に宅建業法第71条に基づく「立入調査」をおこなった。

その後、12月に入り、宇部店、下関店、山口店に対しても順次、立入調査を実施し、同様の差別調査等の記載がないか、不動産取引における同和問題・人権問題の認識などについての聞き取りがおこなわれた。

その結果、多くの社員が同和問題について、充分に理解しておらず学校教育、社会教育の課題も明らかになった。

山口県連からは、今回の事件は、店長個人の問題ではなく、同和地区を忌避する市民の実態が背景にあり、その忌避意識が価格設定に反映されるという構造があることを指摘。人権に取り組まない企業は自ずと差別に加担してしまう、宅建業界の体質を指摘した。

今後、県はK社の県内4店舗への人権研修の実施、関係市への説明、業界団体のガイドラインの作成等、土地差別問題の解決に取り組んでいくことを確認した。