下関市上下水道局「身元調査」差別事件
下関市上下水道局 「職員の身元調査の項目 ~30年以上も記載~」
下関市上下水道局の事務決裁規程に「職員の身元調査」という項目が設けられていたことについて、山口県連は事実確認会を12月25日、1月28日、下関市上下水道局会議室にておこない、下関市からは吉村水道副局長、西川人権・男女共同参画課長など5名、県連からは藤本県連副委員長、松村組織局長、川口書記次長が参加した。
確認会では、規程内容の事実確認、背景にある上下水道局の人権意識、同和問題に対する認識の低さ、下関市の職員人権研修や人権推進体制において同和問題に対する理解・認識不足を指摘し、今後の対応について協議した。
今回、問題となったのは、事務決裁規程の「総務課長専決事項」である。総務課長が決裁をおこなう事項が36項目あり、その12項目に「職員の身元調査に関すること」が記載されている。
下関市上下水道局によると、採用時などにおける職員の身元調査をおこなってきた実態はなく、過去にも記録は残っておらず、昔の担当職員にも聴取してみたが、心当たりはないとのこと。
72年の改定により「職員の身元調査に関すること」という記述になり、05年に市町村合併したが、今回、山口県連が指摘するまで残されていた。
同様の規程は、以前は市長部局の事務決裁規程にもあったが、87年に「職員の身元調査に関すること」という記述は削除されている。
確認会のなかで岡村総務課長は「水道局は、これまで人権や同和問題に対して、自分たちの業務とは直接関係ないという意識・姿勢もあり、人権研修など、市長部局などに比べて意識が低かったから、みんな問題だと見抜けなかった」と述べ、今後、問題の記載事項は速やかに削除し、職員の人権意識高揚の徹底を図ることを確認した。
また市長部局としても、不適切事項の記載については全庁的に点検・見直しをかけるとともに、職員に対する人権研修を実施し、再発防止に努めることを確認した。
県連からは、単なる書式の見直し、人権研修でなく、同和問題に対する理解・認識不足から起きている問題であることを踏まえた取り組みを強く要請し、今回の問題に対する総括と今後の方針について文章回答を求めた。