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クラスター発生の病院に子どもたちが応援メッセージ ーコロナ差別解消の授業からー

山口県人権・同和教育研究協議会の学習会が10月23日、宇部市厚南会館でおこなわれた。学習会では宇部市立厚東小学校でのコロナ差別解消に向けた人権学習と子どもたちの取り組みについての報告がおこなわれた。

2021年1月、宇部市内の病院で70人を超えるメガクラスターが発生し、病院関係者や患者等への偏見や差別などが心配された。そんななか、厚東小学校の子どもたちが病院の職員や関係者を励まそうと応援メッセージボードとシトラスリボンを作って病院に届けた。その取り組みは地元の宇部日報にも掲載された。

 ある児童の発言から

当時小学校2年生を担任していたクラスでの発言がきっかけで、今回の取り組みにつながった。

クラスの子どもが友達にたいして「コロナ菌、もっちょるんやないん?」との発言があった。その場で発言した生徒を指導したが、当時、子どもたちにも新型コロナウイルスに対する不安感なども高まっていた時期であった。

人権教育担当の先生に相談したところ「発言した個人の問題で終わらせずに、学級全体や学校全体で新型コロナウイルス感染症の人たちに対する差別や偏見をなくすための授業を一緒に考えようと」と提案があり、人権学習に取り組むことになった。

授業を通して子どもたちが「自分たちも偏見や差別をなくすために何かしたい」「病院に応援の手紙を書きたい」との声があがり、2年生と4年生でまずは手紙を書いた。

4年生からは全校にも呼び掛けたいとの要望があり、放送で全校に呼びかけ、全校児童で作成したシトラスリボンと手紙を病院に送った。シトラスリボンは地域のふれあいセンターにも置いてもらい、地域の人にも広めてもらった。後日、病院のHPではお礼のメッセージと写真が掲載された。

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