『全国部落調査』復刻版裁判 第2回証人尋問 ~原告が被差別体験を語るから
『全国部落調査』復刻版裁判の第2回証人尋問が9月14日、東京地裁でおこなわれ、5人の原告の尋問がおこなわれた。次回は9月28日に証人尋問がおこなわれ、年度内には判決が出る予定。傍聴には全国14府県から50名が駆けつけた。
五人の原告
5人の原告らは、自身の生い立ちや結婚差別、就職差別、教育現場・地域での部落差別、差別落書きや鳥取ループ・示現舎のさらし差別の現実を突き付けた。
今回の『復刻版』出版や「部落解放同盟関係人物一覧」などのネット掲載がいかに部落差別を助長し、当事者の家族や地域の人たちを不安に陥れ、差別を扇動する危険な行為なのかが訴えられた。
今回の証人尋問では、宮部らは「原告は自分でも部落の地名を書いたり、自身で部落出身と名乗ったりしているじゃないか」と、関係資料をもとにした反対尋問がおこなわれた。
原告からの反論
原告からは、「カミングアウトとアウティングは違う」という点を強く指摘した。
「部落差別をなくすため、本人の了承と責任のもとで部落出身であることを名乗り、地域を語ることと、被告らのように「同和問題のタブーをおちょくる」と差別の現実を無視し、同和地区をさらす行為とは意味がまったく違う」と、原告らの反論がおこなわれた。
報告集会
裁判後には中央本部にて報告集会がおこなわれた。西島中央書記長は挨拶で「裁判長に部落差別の現実を訴えていき、2017年の横浜地裁相模原支部の判決を上回る判決を勝ち取ろう」と呼びかけた。続いて弁護団と5人の原告からの報告、阿久澤麻理子さんからの連帯メッセージが語られた。
最後に原告代表の片岡副委員長から「まとめ」がおこなわれた。