教団教派の教えを超えて ~同和問題解決の邁進~
山口県人権・同和問題に取り組む宗教者連帯会議
「第25回研修会」が2月6日、山口県神社庁において開催され、
県内で人権・同和問題の解決に取り組む宗教者など130人が参加し学習を深めた。
山口同宗連は毎年全体研修会をおこなっており今回で25回を迎える。
主催者を代表して、鳴瀬道夫・山口同宗連議長は
「同和問題解決は、まずは学校教育でやることが第1である。
そして、それを家庭・地域社会で実践する場が宗教界である」と述べ、
「同宗連の教団教派は、国民すべて網羅することになる。
教団教派の信条を超えて、同和問題解決に向けて、邁進していこう」と呼びかけた。
来賓を代表して、解放同盟山口県連の松岡広昭委員長より連帯の挨拶がおこなわれた。
松岡委員長は、プライム事件について、県内の被害状況や本人通知制度について述べ、
「部落問題解決に向けて実りある研修会にしてほしい」と述べた。
開会行事の後、山口県同教の松本卓也・事務局長より、「色ってイロいろ」と題した、
記念講演が行われた。
午後からは真言宗醍醐派、金光教からの実践報告が行われた。
記念講演で松本さんは、同和教育はまずは「自分自身を語ることから始まる」として、
自身が色覚特性であること、同和教育実践のなかで学んできたことについて語られた。
色覚特性とは、全部の色、または一部の色を識別できないことをいう。
一般的には「色盲」「色覚異常」「色覚障害」等の呼び方があるが、
色覚を「個性」としてとらえたいと考えるから、色覚特性と呼ぶようにしている。
色覚特性は、部分色覚特性と全色覚特性にわけられる。
部分色覚特性は、
①「赤緑」色覚特性(一番多く、日本では男性の20人に1人、、女性の400~500人に1人)、
②「青黄」色覚特性(稀にいる)、
③色弱(色覚特性の程度の低いものをいう)の3つがある。
全色覚特性(全「色盲」)の人は、10~20万人に1人ときわめてまれである。
松本さんは、自分が色覚特性であることで「生活のなかで困ることはほとんどないが、
嫌だなあと思うことはある」と自身の経験を語った。
子どもの頃、学校の図工の時間に、友だちや先生から
「色が違う。きたない」「色をよく見て塗りなさい」など言われたこと、
道路工事での信号機が分かりつらいこと、
色覚検査の限界や課題、就職や資格試験などの問題などが語られた。
学校現場では、色覚特性を持つ子どもがいるかもしれないとう認識を常に持つこと、
色覚特性についての学習の必要性など語られた。
(解放新聞山口版第67号 2012年2月29日)