山口同宗連 教えの根源に立ち返り 〜無縁社会から有縁社会へ〜
解放新聞山口版 第56号 2011年2月28日
山口県人権・同和問題に取り組む宗教者連帯会議「第24回研修会」が2月9日山口市の本願寺山口別院において開催され、県内で人権・同和問題の解決に取り組む宗教者など130人が参加し学習を深めた。山口同宗連は毎年全体研修会をおこなっており今回で24回を迎える。
主催者を代表して、吉川俊雄・山口同宗連議長は、「我々、宗教者は宗教の名において、部落問題を容認し、差別して来た過去を深く反省し、各々の教えの根源に立ち返り、部落問題の取りくみなくしては宗教者たり得ないことを自覚し、部落差別をはじめとする一切の差別を許さない宗教者、宗教教団を結成し」という規約の前文を再度、深く受け止めて活動していこうと述べた。
来賓として、松岡広昭委員長が、連帯のあいさつをした。
開会行事の後、「自殺に傾いた人の心理と行動について~自殺志願者駆け込み寺から~」と題して、NPO法人自殺防止ネットワーク代表の篠原鋭一・千葉県曹洞宗長寿住職より、記念講演が行われた。
篠原さんは、1995年から寺院を開放し、24時間いつでも自殺志願者からの電話相談を受けるなど、自殺志願者を救済する活動を行ってきた。
離婚、リストラ、ひきこもり、病気、いじめ、介護などによって増加の一途をたどる日本の自殺者数。
篠原さんは、「自殺は『追い込まれての死』であるといっても過言ではない。自死は個人の問題でなく、同じ社会に生きる私たちの『連帯責任」において解決しなければならない問題だ。『自殺したい』『この世から消えたい』と訴える人は、『死にたい』と言いながらも、『生きたい』という気持ちの間を激しく揺れている。このような状態に追い込まれる前に、近くの人に相談できれば、自殺を防止できる」と信じて活動している。講演では、具体的な相談ケースをもとに語られ、参加者も無縁社会(孤立社会)から有縁社会への回帰の重要性を学んだ。
午後からは各教団の実践報告がおこなわれた。