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山口県同教総会 厳しい子どもたちの現実 〜同和教育の充実を〜

解放新聞山口版 第50号 2010年6月30日

山口県人権・同和教育研究協議会の総会が、5月29日(土)宇部市立隣保館厚南会館でおこなわれた。

総会に先立ち学習会がおこなわれ、山口県人権啓発センターの川口泰司事務局長より「宇部市結婚差別事件と今後の課題」と題した報告がおこなわれた。

川口さんからは、昨年9月、宇部市の開業医による結婚差別事件の概要、この間の経過が報告され、事件の差別性と問題点、今後の課題が提起された。

特に、今回は結婚差別に悩む青年が学校の先生に相談したことで、一人で悩まずに、運動団体につながったことが、その後の取り組みに大きく影響していること報告された。

今後の教育の課題として、まだまだ厳しい部落差別の現実はある。何も知らない、学べていない子どもたちが将来、同じように差別に出会ったときに、どう対応できるのか、誰に相談できるのか、地域や保護者への部落問題の啓発の課題、学校における同和教育の取り組みの必要性について提起があった。

学習会のあと、総会が行われ、松本卓也事務局長より昨年度の事業報告、今年度の研究課題(案)、事業計画・予算・役員案などが提起され承認された。

提案事項を受けての質疑では「子どもと向き合う」「子どもの事実から出発する」という教育実践を大切にすることが提起された。また、県の奨学金制度の募集者が増えていることなど、厳しい生活におかれている子どもたちの現実についても報告された。

その他、新しい若い先生の中には「水平社」ということが何かすら分かってない人もおり、基本的な部落問題に関する知識や研修機会が不足している現実も指摘され、、同和教育の実践と充実に組むことが確認された。