トップページ>解放新聞 山口県版

東部地区部落解放研究会 第19回講座 〜解放されるべきは部落外の人〜

解放新聞山口版 第47号 2010年3月31日

山口県東部地区部落問題研究会第19回講座が、2月18日(木)シンフォニア岩国において開催され、地元の企業・行政・運動団体の関係者など600人が参加し、今後の人権・部落問題解決にむけ学習を深めた。

東部地区部落問題研究会は、岩国・下松・柳井・上関・周南支部などが中心となり開催し、今年で19回目を迎える。

開会行事では主催者を代表して坂田正実行委員長が挨拶を行い、戸籍の不正取得事件やネット上での悪質な差別事件、人権侵害に対する救済制度の必要性が語られ、「全国水平社の精神を受け継ぎ、人権文化を生活の隅々まで広げようと」と呼びかけた。

来賓あいさつでは、大伴國泰・岩国副市長より「同和問題に対する偏見や差別意識を解消するために取り組んでいこう」と研究会の成功と激励のメッセージが送られた。

全体講演① では「山口県の差別の現実から学ぶ」と題して、山口県人権啓発センター事務局長の川口泰司さんの講演がおこなわれた。

川口さんからは、県内の部落の実態、市民の部落問題認識、ここ数年、県内で続発するあいつぐ差別事件が報告され、その取組の中で明らかになってきた課題について提起された。

続いて、シンガーソングライターの森秀一さんによる「魂拓人」と題した人権コンサート。

森さんは地元・高知県黒潮町(旧佐賀町)の同和教育推進講座を受講するなかで、自分の至らなさや、愚かさに気付かされていった。

「何もしないことは、差別を見逃していることだ」と、再び自分なりの人権啓発がしたいと音楽活動を再開してきた。

「部落差別はする側の問題。部落外の自分たちが解放されなければいけない」と、毎年、部落外の人たちによる解放文化祭を開催している。

森さんの歌では、同和教育に出会い、気づかされてきたことを歌詞にして、曲の合間には、障がい者、部落出身者、兄の自死についてなどについて語られた。その歌は、多くの参加者の心に響くコンサートであった。