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萩の部落で現地研修〜鳥取市から中高生も参加〜

解放新聞山口版 第41号 2009年9月29日

萩の部落で現地研修〜鳥取市から中高生も参加〜

鳥取市用瀬人権文化センターが、8月29日、萩市白水会館にて萩支部の現地研修をおこない、支部との交流と学習を深めた。初めに川口泰司・県連書記次長より「県内の部落問題について」の報告がおこなわれた。

川口さんからは、県民意識調査の結果や、戸籍謄本等不正取得事件や萩市結婚相談所問題をはじめとする県内であいつぐ差別事件から見えてきた課題などが報告された。

続いて岩田利平・県連名誉顧問から「私の歩んできた道」と題した講演がおこなわれた。現在、岩田顧問は99才、まさに山口県の解放運動の生き証人である。萩水平社が設され、教師や学校での部落差別に抗議し、当時、小学生だった岩田さんも同盟休校をおこなった経験や、大阪で靴職人として働いているときに、全国水平社の大会に参加し、身震いするほどの感動と勇気をもらったこと。また、軍隊内での部落差別に対して「自分は北原泰作にはなれなかった」と、正面から抗議が出来なかった悔しさなどが語られた。

最後に、今の50代以上なら分かる萩の部落に伝わる隠語の説明がされた。厳しい差別のなかで生きていくためにうまれた隠語。解説を聞く度に、その言葉の一つひとつに当時の部落の人たちの仕事やくらしが理解できた。講演後、岩田貞雄支部長の案内のもと、地区内を回り、同和対策事業の成果や課題などについて説明を受けながら、学習を深めた。