第39号 「人権維新をめざして」~西日本夏期講座が大成功~
解放新聞山口版 第38号 2009年7月30日
「人権維新をめざして」~西日本夏期講座が大成功~
第34回部落解放・人権西日本夏期講座を7月9、10日、山口県スポーツ文化センター(山口市)で開催し、「山口の地から人権維新を」と西日本を中心に全国から4500人が参加し、22年ぶりの山口開催は大成功に終わった。
夏期講座の山口大会は22年ぶりであり、現地実行委員会の連合山口や山口県平和運動フォーラム、山口同宗連、県同教などを中心に、企業や行政関係者などが参加し、「山口の地から人権維新を」スローガンに学習を深めた。
開会行事では、主催者を代表して寺木伸明実行委員長があいさつをおこない、組坂繁之中央執行委員長から連帯あいさつがおこなわれた。続いて、西村亘副知事、柳井俊学県議会副議長、渡辺純忠山口市長より来賓あいさつがおこなわれ、平岡秀夫衆議院議員より激励のメッセージが送られた。
初日、第1講座では「格差拡大社会がもたらすもの~人権の視点から考える~」と題して、ジャーナリストの斉藤貴男さんより、現在の日本社会の情勢をするどく分析し、格差や差別を再生産する社会の現実が提起された。
第2講座では「猿まわし復活にかけた思い」と題し、村崎太郎さんによる「猿まわし&トーク」がおこなわれた。最初は、4代目次郎との絶妙な掛け合いと猿まわしに、会場は一瞬にして爆笑の渦に。その後、村﨑太郎さんが自分の生い立ちと部落問題について語った。トークの後半は連れ合いの栗原美和子さんがサプライズで登場し、二人を交えてのインタビュー対談、最後は自作の歌でしめくくられた。
二日目、第3講座では、20、30代の部落の若者たちが「部落問題は、いま~若者からメッセージ~」と題したパネルディスカッションをおこなった。多様化する部落青年、部落にこだわりをもって生きている若者たちの思いや生き様から、これからの解放運動、同和教育にとって必要なことが議論された。
第4講座では「差別をなくす社会システムのあり方」と題して、近畿大学の北口末広教授から講演が行われた。北口さんからは、差別をなくすためには「教育で意識を育て、社会システムで行動を変容させる」ことの重要性、格差や差別をなくす社会システムの構築の必要性が具体的に提起された。
「すごくよかった」「感動した」参加者
さらに、二日目は「明治維新の地・萩の被差別民」と題し、フィールドワークもおこなわれた。布引敏雄・大阪観光大学名誉教授、高林公男・萩商工高校教諭が案内人となり、近世の萩における被差別民の活躍のゆかりの地を訪れた。
終了後、参加者からは「企画と内容がすごくよかった」「形式的な啓発研修とは違う。基本的な姿勢が違う、そういうものを感じました」「こんな素敵なイベントが、部落問題をテーマに山口県でできてしまうなんて、ほんとうに画期的です。感激して、涙が出るくらいでした」などの感想が多く寄せられ、内実とも大成功に終わった。