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第38号 高校生「同和教育受けた」1割 ~問われている教職員の姿勢~

解放新聞山口版 第38号 2009年6月30日

高校生「同和教育受けた」1割 ~問われている教職員の姿勢~ 県同教総会

山口県同教の総会が、5月30日(土)宇部市立隣保館厚南会館でおこなわれた。

総会に先立ち、学習会がおこなわれ、萩商工高校の高林公男さんより『同和教育を取り巻く状況と同和教育の実施』と題した講演がおこなわれた。高林さんからは、高校生を対象に昨年実施したアンケート結果から、現在の学校現場でいかに同和教育が実施されていないか、その実態と必要性、学習後の生徒たちの反応が報告された。

萩・長門地域のある高校3年生を対象に実施した調査では、学校で「同和教育を受けた」という生徒は10%、「部落差別という言葉は知っているがよく分からない」が68%、部落の起源については「人種・民族が違う」が20%、「よくわからない」20%、「支配者が低い身分を作った」29%という驚くべき実態が明らかになった。高林さんは、この結果をみる限り、山口県の同和教育は今や溶解し「同対審」以前に戻ったといっても過言ではない、と現状を指摘した。

また、同和教育を受けた経験をもつ生徒の9割以上が部落問題に関心を持ち、その必要性を訴えている。今、正に教職員の姿勢が問われている、と提起された。続いて、松本卓也事務局長から昨年度事業報告と今年度の研究課題(案)や事業計画・予算・役員(案)などが提起され承認された。今年は役員改選がおこなわれ、新委員長に高林公男さん、副委員長に光成和正さん、麻野他郎さんが新たに承認された。総会では、県民意識調査結果の分析について議論されたほか、県の高校奨学金制度で「保証人が二人」「60才以下で別生計」という条件がいかに厳しく、この条件により奨学金を断念せざるをえない実態などが報告された。今後「保証人」を一人改善させる運動を展開してくことが確認された。