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第21話(最終話) 山口県水平社創立90年の闘い

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◆身元調査・戸籍不正取得
2011年3月11日には東日本大震災が発生、津波による福島第一原子力発電所事故が起きた。今も多くの人権にかかわる課題が提起され解決が迫られている。
同時期の2011年に山口県内の複数の自治体で、職員採用時において「就職差別につながる恐れのある」健康診断(健康診断書の提出など)を実施していることが発覚した。 部落解放同盟山口県連は、「採用選考において、血液検査などの健康診断の実施は「就職差別につながる恐れがある」として、厚生労働省は客観的・合理的な必要性がある場合を除いて実施しないように指導している」と違反する行為として是正を求め改善を実現した。
また同年一一月、以前から問題になっていた「戸籍謄本の不正取得」事件よりも、さらに巧妙で悪質な大量不正取得事件―プライム総合法務事務所事件―が発覚し、全国的な取り組みが開始された。
この事件を契機に、部落解放同盟山口県連は関係機関・組織と協力しながら県内の全一九市町で登録型本人通知制度の導入を実現した。

◆山口県人権推進指針の改定
山口県は2012年3月に「山口県人権推進指針」を改定し、その改訂を受けて山口県教育委員会も「山口県人権教育推進資料」を作成する。
2012年4月22日には、部落解放同盟山口県連第61回定期大会が山口市の県労働者福祉文化中央会館で開かれ約120名が出席。
主催者を代表して、松岡広昭委員長は今期で6年間務めた委員長を退任し、顧問として県連の運動を支えていく決意を述べた。

役員改選では、委員長・藤本謙吾(宇部)、副委員長・浅田政美(周南)・山内孝治(下松)・竹嶋彰宏(岩国)、書記長・川口泰司(宇部)が選出された。
国政では2012年12月16日に第46回衆議院議員選挙の投票が実施され自民党が勝利、自公連立の第二次安倍晋三内閣が発足する。
解散前に、「人権委員会設置法案」が野田内閣で閣議決定されたが、解散により可決されなかった。

◆山口県水平社90周年記念大会 解放同盟と同和会が共催 
2013年5月10日、山口市のホテルかめ福で山口県水平社創立九〇周年記念大会及びレセプションが、部落解放同盟山口県連合会並びに全日本同和会山口県連合会が共催し、約二五〇名が参加。来賓として組坂繁之(解放同盟中央執行委員長)、藤部秀則(山口県副知事)、栁居俊学(山口県議会議長)、渡辺純忠(山口市長)などが出席。各地から自治体関係者・議会議員・労働団体・各民主団体の代表が参集した。この大会は、「山口県水平社創立90周年記念」であることから、多くの人びとを結集することができた。