年頭のごあいさつ
年頭のごあいさつ 部落解放同盟山口県連合会 執行委員長 松岡 広昭
2010年の年頭にあたり、部落解放へ向けた決意を述べさせていただきます。
昨年は22年ぶりに山口市で西日本夏期講座を開催し、県内外から4000人以上の人たちが参加し、大成功に終わりました。これも実行委員会をはじめとする多くの人たちのご協力によるもので、あらためて御礼申し上げます。
夏期講座の取り組みを通して、企業、行政、労働組合、各種団体など、多くの市民に部落差別の現実を訴え、共闘の輪を広げることができ、山口の解放運動が大きく前進した年でもありました。
しかし、一方で土地差別調査事件やインターネットでの差別書き込み、戸籍不正取得と身元調査など、悪質な差別事件、人権侵害も多発しています。
ここ数年、山口県内においても萩市結婚相談所の「戸籍提出」、「差別的申込書」問題、下関市上下水道局の課長級事務決済規定に「身元調査に関すること」という項目が20年以上に設けられていたなど、これまでの同和行政が問われる事件が起きています。
また、昨年の9月、宇部市の開業医による結婚差別事件では、根強い差別意識、身元調査の現実なども明らかになりました。今回の結婚差別事件では、被害者救済のあり方、加害者に対する指導や調査権限の限界などの課題も浮き彫りになり、実効性のある人権侵害救済機関の必要性を痛感しました。また、個々の糾弾闘争を通じて、多くの課題も明らかになってきました。
さらに、これまでの「構造改革」路線のもとで生活や福祉が徹底的に破壊され、部落の高齢者や、失業する青年、一人親家庭など貧困は深刻化しています。
このような情勢を反転させていくためにも、本年7月の参議院選挙で松岡とおる中央書記長の2選を勝ち取り、「人権侵害救済法」の早期制定、狭山第3次再審闘争、人権のまちづくりなど、部落解放・人権確立社会の実現に向けて、共に連帯を強め、運動を推し進めましょう。
最後になりますが、皆様方のご健勝とご多幸を祈念致しまして、新年のごあいさつといたします。